Page7 –「稽古は大切です。」

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団長の独り言 2022.09.18

9月18日(日)「稽古は大切です。」

昨日の土曜日、仕事のため稽古場到着が
1時間ほど遅れてしまう。
仕事を終えるとすぐに平野カーに乗り込むが、
どうも腹が減ってしょうがない。

しかし
皆が一生懸命稽古している姿を思い浮かべると、
コンビニに寄って軽食を買う時間も惜しいので、
空腹のまま稽古場へ。

稽古場となる公共施設に到着し、
急いで車を駐車して、
部屋までの廊下を小走りで向かうと、
なーんも「音」が聞こえてこない。

こことは別の施設だと、廊下あたりから、
みなの熱気に包まれた芝居をしている
声や歌等も聞こえてくるのに・・・

「何かトラブルが起こったか!」

と不安になる。

ドキドキしながら一旦扉の前に立って、
大きく深呼吸をして、
細長い「覗き窓」から中の様子を伺えば、
皆さんちゃんと稽古している様子。

ホッとしつつ、ゆっくりと
しずか〜に扉を開けて中に入れば、
恵ちゃん演じる「愛実」と、
ゆみさん演じる「桃子」が
「喫茶店」で話し込んでいる場面の
稽古の真っ最中だった。

そっか、そっか・・・
ここの部屋は完全防音なので、
部屋の外へは一切音が漏れない仕組みだった。
そりゃー部屋の外にいれば静かなはずですわ。

それにしてもだよ。
廊下から稽古場に入った瞬間の
稽古場の熱気たるや!すごいものを感じた。

わーわー騒がしいシーンじゃなくて、
二人の役者が
喫茶店で静かに会話をしているシーンなんだけど、
芝居をしている二人と、二人を見守っている
共演者の皆さんの「静かなる熱気」がすごくて、
緊張感溢れる空気が、
ビンビン伝わってきたのですよ。

そんな熱気ある「喫茶店」のシーンを暫く拝見し、
いつもならば、
区切りのいいところで稽古を中断してもらい、
普段ならば、ここで皆とご挨拶をするのだが、
全体的に皆が集中しているし、
稽古開始時間から約1時間経って
このシーンという事は、
恐らく「通し」でここまできたってのも
推測できる。

せっかく「通し」てここまで来たのに、
芝居を止めるとリズムやテンポが
崩れる可能性もある。

次のシーンに登場する二人の役者は
すでにスタンバイしているし、
そのままシーン10、シーン11、シーン12と続け、
結局1幕の最後まできっちり演じてもらった。

そして、ここでようやく一旦休憩を入れて、
皆さんへのご挨拶と遅れて来たことへのお詫びをして、
10分間の休憩後、
予定では2幕の稽古を行うつもりだったけど、
私がいない中でも本気で挑んでいた、
先ほどの1幕をぜひとも見せてもらいたくなったので、
もう一度、幕開きから順を追って演じてもらう事にした。

最初の出だしの「久美先生」と、
「桃子」のシーンは先週みっちりやったので、
力も抜けて、セリフがちゃんと耳に入って来るように
なっていたし、続くシーン2もまずまずだったのだが、
シーン3とシーン6でのとあるやり取りの場面が、
めちゃめちゃ気になった。

今のまま流しても問題ないレベルではあるけれど、
せっかく再演するのだし、
前作と違った芝居を要求したくなり、
個々の役者に合わせて、ちょいと味付けを施した
ダメを出すが・・・どうしたことか?
なかなか前に進まない。

だからといって、
「じゃ〜味付けしなくていいか・・・」
という妥協はなんだか悔しい。

あの手この手でダメを出し、
なんとか各役者の個性を活かした
芝居を作り上げようと、かなり細かく、
何度も何度も繰り返したが、
ううう・・・タイムアウト!
中途半端なところで昨日の稽古は終了。

そこで本日の稽古でも、
昨日の続きで、「気になった場面」の稽古に、
かなりの時間を割く事にした。

だだ・・・役者にとっては、
ずっと同じダメを出し続けられるってのは、
精神的にかなりきつい。
また、どのシーンにも相手役として登場し、
全ての場面でハイテンションで演じる
まり恵さん(萱場まり恵)も
かなりきつかったと思う。

それでも彼女は、ダメを出された役者が
少しでもやりやすいようにと、
同じシーンを何度も何度も
繰り返し行ったにも関わらず、
気を抜かず、
明るく全力で立ち向かってくれた。

こうしたナイスなチームワークこそが、
「久美・美容室物語」を底上げする。

今回の「久美・美容室物語」も、
とても多くのお客様が期待して下さっている。

板橋区への回覧板のチラシや、
広報誌「ふれあい」を御覧になった方から
「ふぁんハウスがまた板橋に来る」
とばかりに、文化会館の窓口で
チケットを購入して下さる方も
何名何名もいらっしゃるし、

劇団からのご案内の届いた方からは、
「定期公演を続けられるのは立派です」
という内容のお手紙を、
わざわざ送って下さる方もいらっしゃる。

あと続々とネットからのお申込みも!
勿論、
出演者の知人・友人の方からの申込みもあるわけで、
そうした多くのお客様のご期待に添うためにも、
何がなんでも芝居を仕上げる責任が我々にはある。

その事を今一度胆に銘じて、
チーム全体が一丸となり、
いい雰囲気の中、
本番まで突き進みましょうねぇ。


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