Page24 –「通し稽古を行った」

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団長の独り言 2023.01.29

1月29日(日)「通し稽古を行った」

13時から21時30分までの
昼夜稽古に突入した。

これまでの3時間ちょいの稽古では、
みんながのってきて、「よし、これからだ!」って
ところでタイムアウトって事が結構あったけれど、
稽古回数は残すところ約8回となり、
全て昼夜稽古となるので、

ダラダラせず、
貴重な時間を有効に使わねば!

そんな思いを胸に稽古場へ。

集合時間の15分前に到着。
稽古場へ顔を出せば全員が集合していて、
芝居で使用するテーブルや椅子等を
セッティングしている。

活気があって、明るくて、笑顔、笑顔。
それぞれが「おはようございま〜す」って
挨拶をしてくるその姿は、
みんな色々な事情を抱えているはずなのに、
13時から21時30分までの長時間、
大好きな芝居にどっぷり浸かる事の出来る
環境に感謝をしているかのように、
活き活きとしている。

ここまで来たら、
「どうしよう?」
ばかり言っていても始まらない。
幕開きは待ってくれない。

今回も大勢のお客様が
劇団ふぁんハウスのお芝居を
楽しみにして下さっている。

お客様の期待を裏切らない
芝居をお届けする!

という意識はみな一緒。

正直これからの稽古は、
役者達にとっても
演出である私にとっても正念場!

昼夜稽古の出来不出来が、
そのまま本番に直結する。

だからこそ元気にスタートしなきゃ。

みんなで
平野カー満載の道具類を部屋に運び込み、
各自分担して小道具の準備や、
効果音の打ち合わせ、
衣裳の早替え等の打ち合わせと、
あとは稽古用の舞台作り。

この日の稽古場は、
本番と同じだけの間口がとれる
ひろーい稽古場なので、
舞台セットの距離感をつかむために、
舞台美術の三井さんが考案してくれた
図面を見つつ、メンバー達が
尺表示のあるメジャーで寸法を測りながら、
「えーっとね、そこは9尺ね!」
「そこから、この角度で3尺いって・・・」
と言いながら、紐やテープを用いて
床に実寸の枠を作る。

これまでは、本舞台の半分ちょいの
広さの場所での稽古してきたので、
実寸で仮セットを組むことにより、
当然ながら動きも大きく変わってくる。

そこで、
まずは「座長」の出るシーンを中心に
各シーンの抜き稽古を
徹底的に行う事にした。

すると広くなった事によって生じる
違和感ある動きが続出したので、
各役者の動きを調整すると、
芝居そものも変化してきて、
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
という、
作品がかなり立体的になってきた。

やっぱり広い稽古場っていいよなぁ〜
って思いながら、抜き稽古に集中していると、
あっという間に17時を回っている!
これは大変!
18時には音響の野中君がお越しになり、
今回の座組での初めての
「通し稽古」を行う事になっている。

皆さんには申し訳ないけれど、
普段1時間ほどとる休憩時間を
45分程度に縮小してもらい、
大急ぎで食事をとっていると、
17時45分過ぎに、音響の野中君登場!

素早く食事を済ませて、
衣裳を着たり、メイクをしたり、
小道具の最終チェックをしたりと、
まさに本番前のような
あわただしさで準備を行う。

そんな中で私は野中君と
打ち合わせを行っていると、
彼が「25周年なんですね・・・」
とシミジミと言う。

野中君は25年前の第1回公演から
劇団ふぁんハウスをずっと
音響として支えてくれている。

25年前、
彼は20代の青年だった・・・
だから私の中ではいまだに
「野中君」のまま。

彼は客観的な立場から
劇団ふぁんハウスの成長を
見続けてくれているんだよなぁ。

「今回も、よろしくお願いしますね」

ってあらためて挨拶をして、
さぁ!気を引き締めての
第1回目の通し稽古の開始。

通し稽古というのは、
芝居を最初から最後まで通す稽古の事で、
今まで部分的にしか行ってこなかった
各シーンを繋げ合わせて
「本番どおり」芝居をする稽古なので、
これまでの稽古とは様子も異なる。

特に第1回目の通し稽古ってのは、
場面転換時での小道具の処理や、
早替え、役者の出ハケ等、様々な問題点が
次から次へと発見される稽古でもあるし、
何より
「ちゃんと芝居として成立するのか?」が
キチンと確認の出来るので、
通し稽古ってのは、やっぱり
いつもの稽古とは違う緊張感が漂う。

そんな中、ほぼスケジュール通り、
緊張の通し稽古を開始すると、
出だしはいい感じ!

しかし後半になるにしたがって、
知らず知らずのうちに疲れが出てきたのか?
くだらないところでセリフをとちるし、
へんな間延びした芝居になるし・・。

観ていてイライラしてくるが、
通し稽古だから
途中で芝居を止めるわけにもいかず、
私の手元にある「ダメ出し用紙」に、
イライラをぶつけるかの如く、
ダメな箇所を殴り書きしていくが、
その数がドンドン増えていく。

この日の稽古終了後、かなり厳しいダメを出し、
翌・日曜日。
転換スタッフの舞ちゃん(木村舞子)が
見守る通し稽古でも、
なんとか「通す」には通せたけれど、
相変わらず「何しとんねん!」って感じ。

それでも劇団内の雰囲気が最高にいい感じなのは、
何よりの救いだ。
この雰囲気こそが成功への道へとつながる。
皆さん、次の通し稽古でも
気合入れて行きましょうねぇ〜。


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