Page16 -「仕込み」

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団長の独り言 2021.07.15

「ざ・クリーンキーパー板橋公演」は、
コロナ禍の緊急事態宣言下の中、
出演者にもお客様にも感染者を出す事なく、
無事公演を終える事ができました。

今回も稽古初日からコロナに振り回され続け、
稽古場の時間制限や利用禁止等もあり、
それでも諦めず、どんな場所でも

「芝居の稽古が出来るなら!」

って事であちらこちらを転々として、
時に稽古時間も縮小しながらの稽古でした。

みんなは、
最寄り駅からうーんと遠い稽古場であろうとも、
せまーい稽古場であろうとも、
いつもと変わらぬ笑顔と一生懸命さで
芝居と向き合い、その結果が、
今回も大成功へと繋がったのです。

そんな劇団ふぁんハウスが
劇場入りしてからの様子を、
今回も日記形式でお届け致します。

7月15日(木)仕込み

朝6時30分、
劇団ふぁんハウスメンバー有志は、
早朝にも拘わらず元気いっぱい!

明るい笑顔で劇団倉庫に集合し、
舞台監督の高橋さんも到着。
これから本番が終わるまでの3日間は、
現場のリーダーとしてすごくお世話になる方だ。

仕込みの朝から、
倉庫に来てくれる高橋さんはとっても頼もしい。

やがてトラックが到着。
荷台を開けて、早速積み込み開始。

ドライバーさんは、前回の赤坂公演の時にも
担当して下さった方なんだけど、
どんな物がどれくらいの量あったのか?
把握して下さっていて、

「まず大きな革ソファー貰えますか!」
「次にパネルくださーい」等、
倉庫内が見えない位置にいるにも拘わらず、
かなり的確に積み込みの指示を出してくれる。

すごいなぁー!
いくら前回担当して下さったとはいえども、
毎日積み込んでいる荷物ならいざ知らず、
約半年前に2トンロング目一杯の荷物を
全て把握されているのは大したもの。

これぞ!プロの技!

頼れるプロフェッショナルな
ドライバーさんの職人技のおかげで、
かなり早くに積込みが終了し、
トラックは照明さんの会社「六工房」へ
照明機材を積込みに向かう。

一方の我々は、
荷物が運び出された倉庫内の
整理整頓及び掃除を行って、
平野カーと千秋カーに分乗し、
板橋区立文化会館へと向かう。

平日の都内移動、午前7時過ぎ・・・
御多分に漏れず大渋滞。

ガラガラならば、
そうだなぁー30分程度で
到着する距離なんだけど、
1時間30分もかかってしまう・・・が、
それは想定内。

午前9時前、劇場に到着すると、
倉庫組以外の全メンバーが
我々の到着を待ち構えていた。
すでにトラックも到着している。

ほんの2、3分で開門〜!
トラックを搬入口につけて、早速搬入開始。

ここ板橋区立文化会館は、
大きな搬入用エレベーターがあるので、
非常に効率のいい搬入が行えるので
大変ありがたい。

劇場に道具類が運び込まれる頃には、
照明さんの吊り込みも中盤を迎えており、
各自が舞台面、楽屋回り、受付回りの
準備に取り掛かる。

暫くすると、
「トンテンカン」というナグリの音や、
「ギュルギュルギュル」という
インパクトドライバーの音が
舞台上から聞こえてくる。

これぞ劇団公演のだいご味。

商業演劇の舞台の場合、
大道具さんが2、3日かけて建て込んで完成した舞台に、
役者陣はやおら楽屋入りするってのが普通の光景。

役者に集中出来るって言えば出来るけれど、
私はやっぱり、こうした準備段階から
みんなで創り上げていくほうが

「芝居が始まるぞ」

って実感できるので好きだなぁ。

途中休憩を何度か挟みながら、舞台を完成させて、
そこから照明さんの「色作り」となる
シュート作業が始まる。
3時間はゆうにかかるかなぁ?

そのシュート作業を終えると、
音響さんによる音合わせ。

アマティアズのピアノ演奏、
美和のフルート演奏、
ソロの歌がある鈴木美千代さんの歌や
効果音等、
とってもいい音の出る劇場の
スピーカーから音を出し、レベルチェック。

全ての準備が整ったのは18時30分!
ここから、照明や音響のタイミング、
そして役者の位置等を決定させる
「場当たり」という、
ピリピリムード満載の作業に、突入するのでした。


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