Page10 –「団長の独り言」

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団長の独り言 2023.07.14

「人生芸夢〜夢のとおり道〜」、
無事に公演を終了する事が出来ました。

思い起こせば昨年の6月、
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
の出演者一同が稽古場に集合し、
和気あいあいな雰囲気の中、
稽古をスタートさせました。

その後、
6月〜7月は
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」の稽古、
8月〜10月は
「久美・美容室物語板橋公演」
の稽古&本番を迎え、

11月から
本格的に「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
の稽古をスタートさせて、
2月末に赤坂区民センターでの
本番を無事終了し、

5月に須藤あゆみちゃんと
四枝美和ちゃんが合流して、
「人生芸夢〜夢のとおり道〜板橋公演」が
本格的にスタートして、そして昨日までの本番!!

つまり
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
という作品は、
最初の顔合わせの時から1年以上にわたり
関わってきた作品という事になる。

演じるはずの役者の体調不良が相次ぎ、
キャストがコロコロ変わり、
何度も何度も脚本を書き換えて、
「板橋公演」ではこれぞ完成形!
と胸の張れるものになった。

その完成形
「人生芸夢〜夢のとおり道〜板橋公演」は、
大変いい評価を頂く中、
昨日無事終える事が出来て、
私は重圧から解放され、
今はホッとしております。

今回も劇場入りしてから
本番終了までを日記形式でお届け致します。

7月14日(金)「劇場入り」

朝6時過ぎ、
平野カーは劇団倉庫横のコンビニに到着。
天気は曇り。

予報では
雨もちらつくような事を言っていたので、
この分厚い雲が泣きださないうちに、
なんとか倉庫からの荷物出しを行いたいと
空を見上げつつ、コンビニでサンドイッチと
お茶と栄養補給ゼリー「速攻元気」等の
朝食を美鶴さんと共に車中で食べていると、
千秋カーが私の横に滑り込んできたので、
「おはようございます」と挨拶を交わす。

この挨拶には、
「いよいよだね」「天気もつかな?」
「体調はどう?」等が
含まれているように思う。

すると間髪入れず、
ここ十年程前からお世話になっている
運送会社Sさんの2トンロングの
トラックが入ってきた。
さすがSさん、積み込み予定時刻よりも
30分も早くに到着している。
ドライバーさんと挨拶を交わす。

午前6時30分少し前、
積み込みメンバー達が集まったところで、
荷出しを開始。
高さ約3メートル、
横約1メートル80の巨大なパネルから、
片手でも持てそうなくらいのパネル等、
大小様々なパネルを積込み、
小道具類や受付セット等も
リレー形式で次から次へと積み込んでいくと、
あっという間に満載に。

意外と気温はそれほど高くもなく、
体感的にも爽やかに感じる中での作業だったので、
予想していたほどの汗はかかず、
体力温存が出来たまま、午前7時半トラック出発。

「このトラックが行方不明になったら
公演出来ないよね」
と誰かが呟いたが、まさにそのとおり!

「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
の全てが詰まっているからねぇ。

そんな事を思いつつ積み込み部隊も
2台の車に乗込み、
板橋区立文化会館へと向かう。

午前8時30分、
劇場入口に到着すると、
積み込み部隊ではないメンバー達も続々と登場し、
メンバー全員が元気に明るく顔を揃えている。

「よし!全員いる」

なんと言ってもそれが何よりも大事。
ダブルキャストではないので、
役者が一人でも欠けると
とんでもない事態となる。

まだまだ
コロナ感染が密かに流行しているみたいで、
「全員揃うか?」というのが、
私の中での心配事項第一位だっただけに、
みんなの笑顔を観て勇気百倍!

開門まで十数分間、
たわいもない話をして
いざ!劇場への搬入開始。

板橋区立文化会館小ホールは、
トラックから降ろした荷物を
そのまま
巨大エレベーターに積み込めるので、
とっても効率のいい搬入が出来る。
(高さ3メートル、横幅2メートルのパネルも
なんの苦労もなく入ってしまうほどの大きさ!)

舞台面は、
まず照明さんの照明機材の吊り込み作業から。
その後、大道具の建て込みを行う。
その間に音響さんはスピーカーの配線や
操作卓の設置等、こちらは客席を中心に
作業を進めていく。

今回から舞台面での仕込みの際、
ヘルメットを着用せねばいけなくなり、
照明さんも大道具係の劇団メンバーも
みんなヘルメット姿。

最初は違和感があった
皆さんのヘルメット姿も、
作業が進むにつれ、
その姿で黙々と作業する姿が
頼もしくさえ見えてくる。

今回の仕込みでは、
座長役の堀越さんはご自分のガチ袋
(作業道具を入れる腰につけるあれ)
をご持参。

その姿がめちゃめちゃカッコ良くて、
作業中の動き、指示の出し方まで
「ザ・職人の頭」って感じ。

それもそのはず、堀越さんは、
優秀な舞台監督の高橋さんの師匠だからね!
優秀の監督の師匠なので超優秀なんですよ!

そんなわけで
舞台監督さんが二人いるような
豪華な建て込み現場での作業は
いいペースで進み、
フッと舞台の上を見上げると、
吊り込まれた照明機材の数たるや!
ものすごい!

劇団ふぁんハウス初のLEDもあるし、
パーライトが舞台後方から客席に向かって
何本も伸びているし、ミラーボールもある。
これはすごい照明が期待出来そう!

いつもならば、「文字幕」という幕で
照明機材を隠して貰っているけれど、
今回は私の要望でもあるのだが、
あえて文字幕は使わず、
ロックコンサート会場のように
全ての照明機材を見せてもらう事にしたのだ。

古風な芝居小屋の舞台セットに、
むき出しのままの超近代的な照明機材。
このアンバランスさが
逆にワクワク感を醸し出して
くれていたのでした。


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