Page15 –「記念すべき25周年記念!大成功!」

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団長の独り言 2023.07.16

翌16日(日)、
この日も朝から最高にいい天気!

午前10時に、
役者、スタッフ全員集合って事にしていたけれど、
午前9時すぎに楽屋に顔を出せば、
すでに照明さん、音響さんはお越しになっていて、
様々な調整作業を行っているし、
9時15分には、役者陣はもちろんの事、
舞台監督さんも含め、全員が顔を揃えていた。

その様子を見て堀越先輩が、
「みんな揃ったんだし、早めに転換稽古を
始めてもいいんじゃないか?」

と、弟子でもある舞台監督の高橋さんに
冗談とも本気ともとれる顔で言う。
私も一瞬そう思ったけれど、
場を仕切る舞台監督さんは、

「10時開始に合わせて各スタッフは
調整しているので、定刻通りでいきます」

と、 ここでもさすが!な判断。

実は昨日の初日を終え、薄暗い明かりの中での
場面転換がやや明るい感じがして、
それがすごく気になった。

「もっと暗くても出来るんじゃないか?」
と思ったので、実際に「真っ暗」な状態で
出来るかどうかを試すべく、
午前10時開始で、
役者も交えて完全暗転の中での
転換稽古をビッシリ行う。

転換稽古なので、芝居に関しては
つまむ程度でもよかったのだが、
役者陣のウォーミングアップも兼ねて
おきたかったので、時間的な余裕もあることだし、
転換に絡まない箇所からずっと前の場面から
芝居を始める事にした。

なにせほら、初日ってのは、
皆さん、なぞるように丁寧に丁寧に演じるが、
初日が上手く行けばいくほど、
2日目は「油断」が頭を持上げるからね。

緊張感を保つためにも、
抜き稽古&場面転換稽古を約2時間ビッシリ行い、
12時過ぎ、定刻どおり、
数十名の受付スタッフの皆様が客席内に集合して
来られたので、例によって例の如く、
全出演者と共に「1、2、3、ダァ~」を行うと、
照明の大塚さんが、掛け声に合わせて
舞台上の照明を変化させてくれて、
豪華な「ダァ~」を行う事が出来た。
(大塚さん、ありがとう~)

こうして、
みんなの心がひとつになったところで、
役者陣、舞台スタッフは各自調整をおこない、
受付スタッフさん達は、笠松リーダーの指示のもと、
最終打ち合わせへと向かう。

12時55分、お客様入場20分前。
舞台監督の高橋さんが、私の元へ来る。

「すでに大勢のお客様が
会場入り口にお並びになっていて、
暑い中お待たせするのも申し訳ないので、
開場時間を15分早め、13時開場にします」
との報告。

我々役者陣はさほどの影響はないけれど、
受付スタッフさん、照明さん、音響さん達は、
定刻の開場時間に合わせて、
ギリギリまで舞台上なりロビーなりで
準備を行っているので、

開場時間を15分も早めるというのは、
かなり大変な事なのだが、

お客様第一ということで判断し
対応出来てしまう劇団ふぁんハウスの
スタッフの皆様はすごい!!!

私も気合を入れ直し、
本番に向けて鏡に映る平野恒雄から
「中沢卓」へと変身していく。

開演5分前、楽屋に集まる出演者一同。
伸ばしたみんなの右手の甲を重ね合わせ、
「いくぞ~」「お~」
の掛け声と共に右手を高らかと上げ、
各自、舞台袖にスタンバイ。

ドキドキ!ドキドキ!
ボイスエマノンさんのアナウンスが入り、
劇団ふぁんハウス第43回公演
「人生芸夢~夢のとおり道~」
の千秋楽が幕を開けた。

昨日以上に
お客様の笑い声が会場内をこだまして、
客席と舞台が一体となっている
空気が演じる我々にも伝わり、
お客様に乗せられながら、とてもいい雰囲気の中、
キラキラしている出演者達が、
役の人物として舞台を駆け巡る。

歌、踊り、ダンス、全ての演目が終わると
客席からは大きな拍手!

そしてラストシーンでは、
目頭を拭われるお客様が、
あちらにもこちらにも・・・。

感動的なラストシーンのあと、
この芝居の見せ場のひとつでもある大立ち回り!

20年前の大立ち回りでは、
この私、もっと身軽にジャンプ出来けれど、
60歳を越えるとね・・・身体が重く感じ、
膝の調子も思わしくなかった
稽古の日々だったけれど、
本番ではそんな事も全て忘れ、
私は気力と気合で、悔いのないように
切られ役の皆さんと対峙し、
ラストでは堀越先輩と向かい合っての真剣勝負!

手を間違うことなく、何度も刀を振り、
最後はジャンプして、
堀越先輩を袈裟切りをで仕留めたら、
先輩は最高のリアクションで舞台上から消えて、
私はキメポーズで正面を見据える。

会場からはわれんばかりの拍手と
「日本一!」という大向こう!

ゆっくりと
私にあたるピンスポットがフェードアウトし、
黄色いドレス姿の美佳ちゃんが登場し、
最後にビシッ!と決めてくれた
女将役のみっちゃんが丁寧にお辞儀をして、
明かりが落ちると、いよいよのエンディング!

客席から登場するまり恵さん、千秋ちゃんの姿は、
その堂々としていて、大スターそのもの。
お客様は、客席を歩く「スター」に笑顔で手を振る。

千秋ちゃんは、
そんなお客様の温かさに声を詰まらせ、
涙を堪えての熱唱!

最後は、
まばゆい光のラインに照らし出された
出演者全員が飛び出して、
最高の笑顔で、
晴れ晴れと「夢のとおり道」を歌い上げ、
温かい声援と大きな拍手が渦巻く中、
25周年記念公演
「人生芸夢~夢のとおり道~」は
幕を下ろしたのでした。

ありがとうございました!
たくさんの笑顔をありがとうごいました。
これからも劇団ふぁんハウスは、
「夢」のあるお芝居を創り続けて参ります。
今後とも応援のほど、よろしくお願い致します。


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