Page1 –「久しぶりの独り言」

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団長の独り言 2023.09.24

9月24日(日)「久しぶりの独り言」

劇団ふぁんハウスを始めたのは、
かれこれ25年近く前。

あの頃は、
当然ながらSNSなんてなくて、
フェイスブックやXの前身となる
「パソコン通信」というものが
マニアの間だけで流行っていた。

しかし、
ちょうど劇団ふぁんハウスを立ち上げた頃、
インターネットってものが頭角を現し始め、

「ホームページってものが
これからの宣伝活動に有効や!」

と、劇団立ち上げの時に様々な事で
助けてくれた高校時代の友人の島田が
劇団ふぁんハウスのホームページを作ってくれた。
(世の中に、まだホームページとか
インターネット等が拡がりきる前なので、
劇団ふぁんハウスは
時代の最先端を走っていた・・・。)

その時に
この「団長の独り言」もスタートさせた。

当時はなんてネーミングだったかな?
「代表のつぶやき」だったような気がする。

ただあの頃は、文字数も今よりも全然少なくて、
本当に「つぶやく」程度だったのが、
毎週、毎週、劇団の様子を描いているうちに、
ドンドン長くなってきて、
やがて朝日新聞ASA南成増様のご協力で、
土曜日毎に各ご家庭に新聞折りこみとして
「紙面版・団長の独り言」
を配っていただくようになってからは、
紙面の関係上、文字数も固定するようになり、
それから現在に至るまで
文字数はこんな感じとなりながら、
この「団長の独り言」は、
劇団活動と共にずーっと描き続けているのだ。

それこそ本として世に送りだせば、
膨大な巻数の本になると思う。

そんな「団長の独り言」は、
4週間に渡ってお休みさせていただいていた。

その間4名のメンバーが、
個性豊かな文章でこの伝統ある?
「独り言」を繋いでくれていたのだが、
さすが皆さん表現者だけあって、
文章が面白い!

その中でも特に面白かったのが、
あゆみちゃん(須藤あゆみ)が
描いたこの一節。

劇団ふぁんハウスの面談で、
初めて稽古場に訪れた際の彼女の感想で、

【「ちゃんとした劇団とはわかっているけれど、
ネットの情報を鵜呑みにしていいのかな、
誘拐とかされたらどうしよう…」
という不安な気持ちや、
また
「マッチングアプリでマッチングした人と
会う時って、こんな感じかもしれない」等、
マッチングアプリの疑似体験をした
気持ちになっていました。】

ってところ。

「誘拐されるかも」とか
「マッチングアプリ」とか、
そんな事を彼女が考えていたのかぁ!って、
思わず大笑してしまったけれど、

まぁーね、それくらい用心したほうが
今の世の中良いですからね。
誘拐されては、芝居どころではないからね。
その警戒心は大切ですね。
(あゆみちゃん、誘拐されなくて良かったね。)

で?「団長の独り言」を描くのを
お休みしていた間、私は何をしていたのか?
と申しますと、脚本執筆に
時間を割いておりましたのです。

何せ新作なものでして・・・
毎度のことだけど、
かなり苦戦致しましたね。

前回公演の舞台挨拶の時に、
「7割は完成してます」と言ったけれど、
実は3割も完成していなくて・・・
「老人ホームの物語です」
って言ったにもかかわらず、
当初の構想とは
全然違う道のりを歩み始める。

確かに老人ホームは出てくるけれど、
何を描きたいのか分からなくなり、
いつでもどこでも何をしていても、
常に「新作執筆」の呪縛から
解き放たれることはなく、

「もおーやーめた!」
と投げやりになった事もあったけれど、
8月の終わりに、
とりあえず仕上げる事が出来た。

但し、あくまでも「とりあえず」で、
それが果たしておもろいのか?どうなのか?
まずはこの作品を演じる皆さんが、
どう評価してくれるのか?大変気になる。

「こんな作品、やってられません!」

って想わないかな?どうかな?
もう全然、自信がございません。

さて、今回の出演者は、
ほぼ全員が前回の「人生芸夢」に関わった
メンバーなので、芝居の癖や特長、
個々の性格等は把握はしている。

だからほとんどの役は、
役者の個性に合わせて描いたけれど、
(当て書きという)
それでも、
「こんな役かぁ・・・」
「あの役がやりたいのになぁ〜」
って思う人もいるだろうなぁ?って、
役者達の心情をおもんぱかりながらも、
必死になって脚本を描いた。

「与えられた役を
全力でやるのが役者たるもの」
「演じる事に感謝して!」

なーんて立派な方々は言うだろうけれど、
そりゃ?大なり小なりありますよ。
「あの役やりたかったなぁ〜」
っていう感情は。

ただね・・・
「やりたい役」と「出来る役」は違うわけで、
それでも私的には、演じる皆さんが納得して、
自分の演じる役を好きになってもらうべく、
登場人物のセリフのひとつひとつを
今回も細かく細かく見直したし、
どの役も魅力的な人として演じられるような
要素はちりばめているので、
ここは、どうか平野恒雄を信じていただき、
全力で役作りに取り組んでもらいたい。

「こんな役か・・・」
と思いながら演じるってのは、
共演者は元より、
その役の人物に大変申し訳ないし、
恐らくそういう人は、
「こんな役」すら満足に演じられないと思う。

出演者の全員がオーラを出して、
存在感を示してくれれば、
今回も劇団ふぁんハウスらしい
作品が創れるばず。

そんな事を色々と思いながら、
9月30日の稽古初日を、
ドキドキしながら待つ団長でありました。


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