Page5 –「本物を創ろう!」

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団長の独り言 2023.10.22

10月22日(日)
「本物を創ろう!」

中学校演劇部への指導に伺った。
朝8時45分、
通用口に車を駐車すると、
演劇部員のみんなが、
我々を待ってくれていたので
笑顔でご挨拶。

上履きに履き替えると、
運動部の生徒さん十数名が
部活を始めようとしていたので、
邪魔にならないように2階へ上がろうとすると、
みんな、私達に対して「おはようございます」と
挨拶をしてくれる。

数年前、初めてこちらの中学校に
伺った時から感じていたけれど、
本当にみなさん礼儀正しいのですよ。

他の部活の生徒さん達からしてみたら、
我々は「この人達誰よ?」なのに、
とっても自然に、本当に自然に
キチンと挨拶をしてくれるんです。

「ちゃんと挨拶しなさい」
って言われているから
しているって感じじゃない。

ここの中学校の伝統かとも思えるほど、
みなさんちゃんとしている。

素晴らしいよね。
挨拶がちゃんと出来るってのは。

そんな事を思いつつ、
2週間後に演劇部の発表会を
行う会場となる体育館へ。

すでに演出席も用意されていて、
その前に部員達がずらりと並び、
リーダーのTさんが一歩前に出ると、
限られた時間内に何を指導して
欲しいのか?をキチンと言ってくれる。

「〇〇姫と、タロウの決闘シーンの
動きは何をどうすればいいか?
全く分からないので、
決闘の動きを付けていただきたいです。」

「あと全体を通して演じるので、
気になる箇所を指摘してください。」
との事。

我々は、台本を事前に読んできたので、
彼女の言うところの「決闘」が、
どの場面なのか?すぐに把握出来たので、
早速「立ち回りシーン」の動きを
付ける稽古から。

稽古では、
私の考えを押し付けるような事はせず、
主体となる彼女達の
「やりたい事」をしっかり聞き、
あくまでも、
その「お手伝い」をするというスタンスで、
みんなで動きを考え、
そして実際のBGMに合わせて
「決闘シーン」を行うと、
決闘に絡まないメンバー達からは、
歓声と拍手が!

立ち回りの芯を演じるTさんは、
しきりに「難しいなぁ〜」って
首を振っていたけれど、何事に対しても
一生懸命になるTさんなら大丈夫!
あとは稽古あるのみ!
そう伝え、芝居全体を見せてもらうと、
指摘したくなる細かい箇所はいくつもあるが、

今日しか指導日がないので、
芝居を一通り観せてもらってから、
テーブルを挟んで全員椅子に座り、
ミーティング形式のダメ出しを行う。

ここでも
私の考えを押し付けるような事はせず、
あくまでも出演者一同が
「何をやりたいのか?」を聞き出し、
私達も意見を述べ、
時には、その場で演じてもらいつつ、
要点を抑えたダメ出しを行い、
3時間の指導を終えた。

いつものことながら、
本当にみんな一生懸命!

「まっいいか」とはならない。
その「諦めない精神」は芝居創りに留まらず、
いつまでもいつまでも持ち続けて欲しいものだ。

指導を終えて、帰る私達のお見送りにと
全員が車の前まで来てくれて、
笑顔で手を振りながら中学校を後にした。

いい刺激を受け、
夜はふぁんハウスの稽古に挑むと、
中学生に負けず劣らず、
「やるぞ!」っていう熱気が稽古場を包む。

前回までは、椅子に座っての
「読み合わせ」を行っていたのだが、
なんだか読み合わせばかり行っていると、
身体がムズムズしてくるので、
今日の稽古から立ち稽古を行う事にした。

指導のあと、稽古開始まで数時間あったので
私はGYMに行ってから稽古場へ。

車を止め、
稽古を行う部屋の扉を開ければ、
テーブルは片付けられて、
立ち稽古の出来る状態の中で、
ものの見事に全員が
色々な練習(歌・セリフ・動き等)を
各自で行っていて、
その熱気たるやすごいのですよ。

目のあったメンバーとは挨拶を交わし、
あとは練習の邪魔をせぬように、
私も稽古開始の準備を始め、
18時、定刻通り稽古開始。

大まかな舞台セット(案)を皆さんにお伝えし、
そこで自由に動き回ってもらおうと
思って稽古を始めたら・・・・。

せっかくの立ち稽古なのに、
仮台本から目を離さず、
「ここ」と指示された場所に
ひたすら座り続け、
ひたすらセリフの字ずらを追って
「お芝居ごっこ」をしている皆さん。

セリフを言いながら登場する場面でも、
なんの目的意識も持たず「ただ登場」し、
どの役者もテンポの悪いセリフを
それっぽくしゃべるから、
もう・・・なんの稽古なのかさっぱり分からない。

あちゃ?
またここからのスタートかぁ。
頭を抱えてしまうがしょうがない。

時間がないからね。気合を入れなきゃ。
辛く苦しい時もあるけれど、
とにかく一生懸命!
劇団ふぁんハウスらしい感動的な
お芝居創りに全力で向かいましょう。


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