Page5 – 「平野恒雄と読書の関係」

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団長の独り言 2021.05.02

5月2日「平野恒雄と読書の関係」

世の中は、大型連休に突入した。

昨年にひきつづき、コロナ禍での緊急事態宣言が

発令されている真っ只中での大型連休となり、

演劇界では、

歌舞伎をはじめ、劇団四季等数々の演劇公演が

またしても中止となる。

それでも我々は、7月開催の公演に向けて、
前を向いて稽古を行わねばならない。

普段稽古を行っている

区が運営している公共施設は、

すべて利用禁止となっているので、

なんとか芝居の稽古が出来る環境を確保し、

時間を有効に使うべく、

昨日も真剣な稽古を繰り広げてみると、

シーンの冒頭、動きやセリフが全体的に噛み合わず、

ややダレていたような雰囲気となってしまう。

いつもと違う稽古場だからってのも

あるかもしれないので、

こういう時はつべこべ言わず、

同じシーンを何度となく繰り返していると、

みんなのエンジンが掛りはじめ、新メンバーのお二人も

ペースの上がってきた芝居に懸命についてきて、

頭を抱えるほどの「ダメ」も特になく、

テンポのいい稽古で先へ先へと進んでいく。

そうなるとマスクもフェイスシールドも外して、

みんなの表情が見たくなるけれど、ここは我慢!

感染予防に細心の注意を払いながら稽古を続ける。

こうした状況下でも、笑顔を絶やさず

一生懸命なみんなを見ていると、

こりゃー何が何でも

劇団ふぁんハウスは続けなきゃ!って、

最近シミジミ思うのです。

で!続けなきゃって事で

7月の板橋公演の次に行うのは、

劇団ふぁんハウス第40回公演!

第40回公演は、

2月に港区で行う事が決まっておりまして、

現在、その公演に向け、

新作の脚本を執筆している最中なのだ。

しかし・・・久々の新作なので、

脚本ってどうやって描いていたっけ?

って忘れているところがあり、

脳みそを脚本を描くための

「文学脳」にするために、

2月3月はかなりの数の読書をした。

とにかく手当たり次第読むのが

私の読書スタイルなんだけど、

今回は、新聞の下の欄に、

広告として載っていた桜木柴乃さんの

「師匠とブルーボーイとストリッパー」

ってタイトルの小説にひかれ、

購入して読み始めると、完全に私好み!

すっかり桜木柴乃さんのファンになり、

「ホテルローヤル」

「家族じまい」と、

桜木さんの小説を、続けざまに読んでしまった・・・。

「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」以外は

一見短編小説なんだけど、

ひとつひとつの短編は、ちゃんと繋がっていて、

そういった手法もさることながら、

内容に引き込まれながら読みふけってしまう。

あとは、

井上ひさしさんの「雪やこんこん」という戯曲と、

「推し、燃ゆ」、「そして、バトンは渡された」も等も読み、

結局、2か月で6冊もの小説を読んだ。

まぁーこんな感じで、

今の私は、そこそこ読書するようになったのだが、

小学生の頃は、文字を読むのが大嫌いな少年だった。

それなのに父親の口癖は「本を読め」。

しかたなく字の大きな小説を

図書館で借りてきて読もうと試みるが、

何が読みたいのか分からない・・・。

文字が頭に入ってこない・・・。

そこで読めば賢くなるはずだと言い聞かせ、

小学4年生の時、本気で小説ってものを

読み始めたのが「路傍の石」だった。

(人生初・ちゃんと購入した小説)

だけど、相変わらず内容が全然頭に入らず、

最後まで読んだかどうかも怪しく、

結局、どんな話だったのか全く思い出せない。

こんな私だったけど、18歳ごろから

ドキュメンタリーとか自叙伝には興味を示し始め、

(特にはまったのが矢沢永吉さんの『成りあがり』)

25歳くらいからかな?「勉強のため」だと腹を決め、

読書というものに進んで挑戦すると、

意外や意外!本の世界に入り込める自分がいた。

やがて劇団ふぁんハウスで

脚本を描くようになってからは、

もっともっと小説を読む機会が増えていって、

現在に至るって感じ。

だけどなぁ・・・まだ「読書が好きです」って、

胸を張って言えないけれど、

きっと本屋さんに行けば、

また誰かの小説を手に取っているんだろうなぁ。

あーそんな事言っている場合じゃない!

はよ新作も描かなきゃ!


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