「胡蝶蘭の花」福岡美佳

2020年2月の「明日への旅路 板橋公演」で、
私の住むマンションの大家さんから見事な胡蝶蘭の鉢植えをいただきました。
いただいた時は大きな花が沢山咲いていたのですが、
数ヶ月後に花は全て散り、葉だけになっていました。
花が終わってからも観葉植物として目を楽しませてくれていましたが、
2ヶ月ほど前から新しい茎が伸び、つぼみが出てきて、先週ついに花が開きました。
赤紫色の可憐な花です。
最初の花よりも小ぶりで一輪だけですが、
健気に花を咲かせている姿に元気をもらっています。

あまりに嬉しかったので、大家さんにそのことをメールで伝えたら
「実は叔母にも同じお店から胡蝶蘭を送ったことがあるのですが、
『今年も綺麗に咲きました』と連絡がありました。
叔母は娘さんを亡くしているので、天国の娘さんからのエールかなと思ってます。
みんな頑張りましょうって事なのかな。
きっと胡蝶蘭も福岡さんにエールを送ってくれてるんですよ」
というお返事をいただき、更に胸が熱くなりました。

お花が持つパワーってすごいなぁと思うと同時に、
このような優しい心を持っている大家さんって素敵だなぁと改めて感じました。
胡蝶蘭も、この花を下さった大家さんも私を応援してくれている。
そう思ってとても心強い気持ちになりました。

先日の稽古では、団長が新たな演出を付けて下さり、
見せ場が増えて嬉しいという気持ちと、ちゃんと見せなきゃ、
できるだろうかというプレッシャーの両方を感じていますが、
「私の役の魅力をお客さんに更に見せるチャンスが増えた」と前向きに捉え、
顔晴っていきたいと思います。


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