Page12 -「無理しすぎない。」

団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2021.06.20

6月20日「無理しすぎない。」

いよいよロング稽古に突入した。

前回号にも描いたけれど、
本来であれば本番1か月前のこの時期、
13時から21時30分までの
昼夜連続稽古となるのだが、

今回は色々と諸事情がございまして、
(詳しくは前回の団長の独り言をご覧ください)
これから本番までは、
9時から17時までの「朝昼」連続稽古となる。

いずれにしても稽古時間はたっぷりあるので、
昨日の土曜日は稽古を開始する前に、
まずは「清掃員控室」の「絨毯スペース」
に座る各役者の位置を、
キチンと決める事から始める。

これまでの稽古では、
ストーリーを進める事に重きを置いていたけれど、
芝居もほぼ固まった事だし、
図面を見ながら寸法を測り、
紐を用いて本番とまったく同じ広さの
「絨毯スペース」を作る。

赤坂区民センターの場合だと、
客席のほとんどが、舞台面よりも上にある、
いわゆる「すり鉢状」の客席なので、
役者の座る位置が多少前後に重なっても、
お客様は上から舞台を見下ろす形になるので、
それほど神経質にならなくても大丈夫なんだけど、

板橋区立文化会館小ホールの場合、
ほとんどの座席では、
舞台を微妙に見上げる感じになるので、
「絨毯スペース」に座る役者達が、
すこーしでも縦位置になって重なると、
前の役者が後ろの役者を隠してしまい、
客席から、完全に見えない状態になってしまう。

そこで、紐で囲った「絨毯スペース」に
各役の人物に座ってもらい、
その位置を丁寧に調整する事にしたのだ。

ただ・・・いくら実寸とはいえども、
当たり前だけど、実際のセットとは違うので、
現場に入れば、更に微妙な調整は必要だけど、
まったく寸法を無視した中で芝居を行うよりも、
稽古の段階で、
微妙な位置関係をキチンと把握したほうが、
いざ劇場で場当たりを行うにしても
時間短縮につながるし、

それより何より実寸の中で芝居をするのと、
適当な寸法で芝居をするのでは動きが大きく変わり、
芝居も違ってくるので、通し稽古ともなれば、
なるべく実寸での稽古を行うのは大変重要だ。

さて、メンバー達が30分程かけて
(ほぼ)実寸の「清掃員控室」を完成させると、
早速役者達に座ってもらって、位置の修正作業。

その後、1幕で気になった箇所の抜き稽古も
びっしり行っていると、あっという間に、
お昼休憩の時間となる。

いやぁー早いわ・・・でも大丈夫!
17時までたっぷり時間はある。
(片付けを考えると16時30分までだけど)

約1時間の休憩後、クリーンキーパー達は
この日初お目見えした衣裳を着て、
1幕のみ通してみる事にした。

今回のクリーンキーパー達の素敵な衣裳も
(株)武翔総合管理様からご提供いただいたのだが、
前回の赤坂公演とデザインこそ同じだけど、
色が前回はパステルグリーンだったのが、
濃いブルーとなり、
武翔総合管理様のロゴマークも
胸のみだったのを今回は背中にも入れ、
よりカッコ良くなっている。

みんながその真新しい衣裳を着て、
ずらりと並ぶと!イイねぇー!

因みに、劇中で使用している清掃道具一式も、
武翔総合管理様からご提供いただいたもの。

衣裳や清掃道具をご提供下さった事に感謝し、
何が何でもいいお芝居を創らねば!と気を引き締め、
1時間20分の1幕を通してみると・・・

セリフのトチリこそ前回に比べて格段と減って
ほぼゼロ状態になったけれど、
朝からの稽古での疲れが、みんな出ていたように
見えた。

通しを終えたみんなは、
一見ヘロヘロって感じではないけれど、
いやいや明らかに疲れている。

時計に目をやれば、
稽古終了時刻までまだ1時間45分ほどあり、
まだまだ稽古が出来る時間はあるけれど、
このまま稽古を続けても、
「やった」という自己満足のみで
得るものはないと判断し、
この日の稽古は早々と終える事にした。

すると若い部類?のメンバー達は、
「えっ!?もう終わり?」という顏だし、
鈴木千秋は
「団長、まだ1時間半以上時間ありますけど・・・」
と言う。

気持ちはすごく分かるけど、
「休む勇気」ってのに、私も目覚めましてね。

ほらコロナ禍の影響で、
活動自体7ヶ月間ほど休んだでしょ?
その時に痛感したのが、
突っ走るだけでなく「休む事も大切!」って事。

まぁー昔の私じゃー考えられなかったなぁ。

というわけで、この日は早々に稽古を切り上げ、
翌日曜日も朝の9時には全員集合し、
万全のコンディションで初の通し稽古を行えば、
メンバー達の活き活きした芝居が
素晴らしかったのは言うまでもない。


共有: