Page12 –「ガムシャラに!」

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団長の独り言 2023.12.10

12月10日(日)「ガムシャラに!」

12月も半ばですかぁ。
毎週土日のみの稽古なので、
本番が1月26日〜27日でしょ?
稽古回数はと言えば・・・あと数回。

焦る気持ちがあるものの、
それでも
メンバー達は稽古を休むこともなく、
誰も彼もが前向きでここ最近では、
本稽古開始の3時間も4時間も前から
稽古場に集まれるメンバーは集まり、
自主稽古や打ち合わせ等も行っているようで、
いつもの時間に私が顔を出した時には、
「すでに温まっている」という状態で、
「早く始めましょうよ!」って雰囲気。

そんな皆さんの熱意に押されつつ、
演出席に座れば、
メンバー達がかわるがわる
私の元へやってきて、

「シーン○○の時は、
こんな感じの衣裳にしようと思うのですが
どうですか?」

「これとこれの組み合わせで
いきたいのですが・・・」

と、自分達なりに考えた衣裳をみせてくれる。

劇団ふぁんハウスでは、
いわゆる
「衣装合わせ」という時間は設けない。

「衣裳合わせ」というのは、
衣裳部さんがいる場合は、
衣裳部さんが、何着か用意をしてきた衣裳を、
場面に応じて役者に着てもらい、それを演出家に見せ、
そこで衣裳が決まっていく作業の事を言うのだが、
この衣裳合わせってのは、意外と時間がかかる。

そこで劇団ふぁんハウスでは、
衣裳さんもいない事だし、
わざわざ「衣裳合わせ」という時間は取らず、
稽古開始前の時間に、各自が用意してきた
衣裳を演出である私がジャッジをして、
あとは実際に衣裳を着て演じてもらいながら
イメージに合うか?を
確認していくというスタイルを
ずっと続けている。

皆さん、役の人物のイメージをちゃんと
掴んでくれているので、
どの衣裳も大抵は
「いいじゃないですかぁ!」
というものばかりなのはありがたい。

ただ前回の
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」のように、
忍者の衣裳やゴージャスドレス等の場合は、
さすがに自前ってわけにもいかないので、
劇団倉庫に眠っているモノとか、劇団で購入したもの、
あるいはメンバーの私物をお借りしたもの等、
特殊な衣裳は劇団サイドで用意をするようにしている。

まぁーいずれにしても、ボチボチ
出演者達が衣裳に身を包みはじめると、
なんとなく雰囲気も変わってきて、
物語にも膨らみが出て来る。

そんな状況の中で昨日今日の稽古では、
物語の一番最初からの稽古を行ったら、
出だしからテンポも良くて、
なんとなくだけど、
人様にお見せしてもいいかな?的な
レベルの芝居をみせてもらえたが、
それでも
ダメを出したくなる箇所ってのはあるもので、
よりよいものにすべく、
細かな箇所で気になるところを指摘。

例えば目線。
いくらちゃんとセリフが言えていて、
役の人物っぽくなった芝居を
しているとはいえども、
長セリフになると
目線が定まらなくなる人もいる。

それだと観ている側からしたら、
気持ちが途切れてしまうからね。

あとは・・・暗い芝居をする役者が数名いる。
これは以前の稽古で、
大袈裟で声を張り上げて、勢いだけで
芝居をしていたメンバー達に対して、
落ち着いて芝居をやって欲しいって
ダメを出したからなのかもしれないが、
落ち着いた芝居をした途端、
今度は暗くなってしまう。

一人が暗い芝居をしたら、
それが伝染して他の役者も暗くなり・・・
そうなると、なんとなーく
芝居全体のテンポも悪くなる。

馬鹿みたいに
明るくやればいいってものでもないけれど、
暗いとエネルギーが吸い取られていくようで。

その他目立ったのは、
セリフが自分のものになり始め、
「演じちゃおっかなぁ〜」って余裕も少し
出て来たからなのか?その余裕が余計な間をつくり、
時に随分とわざとらしくなり、
「作られたモノ」を押し付けられているような
芝居が次々と現れてきた。

役者のノリってのもあるので、
極力、芝居は止めずに演じ続けてもらいたい
ところだったけれど、限界だったので、
芝居を止めさせてもらい、ダメを出す。

で、そのダメを活かしてもらうべく、
もう一度、幕開きの最初から行えば、
今度はダメを意識しすぎて、
どう演じていいのか?迷いながら演じる者や、
「疲れ」からくる集中力の欠如で、
テンポの悪い芝居をしてしまう者も現れて、
最初の時よりも、
見てられない芝居となってしまったが、
まぁー皆さんの実力はこんなものじゃないから、
次回は多分大丈夫だとは思うけれど・・・。

全ては楽しみにして下さっているお客様のため!
劇団の雰囲気は最高にいいからね。
ガムシャラにやりたいと思うのでありました。


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